カテゴリー「世界のミロンガ」の4件の記事

2010/01/28

Ney Meloに習う


Tango Vida@サンフランシスコ」


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 サンフランシスコに出張することになり、現地のタンゴ情報を調べていると、ネイ・メロ&ジェニファー・ブラットが現地にスタジオを持っていることを知る。ネイ・メロは、サンリオのかわいいキャラクター、マイメロとは関係ない。ウルキサスタイルに位置づけられる、ニューヨーク出身の若手(32歳)タンゴダンサーで、米国はもちろん、オーストラリアや欧州など世界的に活動している。YouTubeでも多くのデモが公開されている。

 彼らのスタジオ、タンゴ・ビーダは、サンフランシスコ市街の高級住宅街に位置し、東西方向を走るパシフィック通りに面するビルの1階にある。スタジオは決して広くはないが、タンゴ専門のスタジオだけあって非常に踊りやすい。彼らは、月曜日から木曜日まで計6レッスン(1レッスン当たり1時間30分)のグループレッスンのほか、木曜日にプラクティカを開いている。人気講師だけに、金~日はサンフランシスコ以外の都市や国に出張するケースが多いようだ。


 料金は、1レッスン20ドルだが、4レッスン50ドル、8レッスン80ドルの回数券がある。また、1ヶ月制限なしで受けれるパスが99ドル。訪問時は、スタジオを初めての人は25ドルで1ヶ月間レッスンを受け放題となり、私もこれを利用した。木曜4時半から7時半のプラクティカは、スタジオ生徒は無料で参加できる太っ腹な試みだ(生徒外は5ドル)。


 クラスは、①基礎、②リズミックタンゴ(ダリエンソなど)、③ドラマティックタンゴ(プグリエーセなど)、④ワルツ、⑤ミロンガ、の計5種類。①がレベルⅠ、②~⑤がレベルⅡとなっているが、初心者でなければレベルⅡもまったく問題ない。

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【写真】プラクティカの様子

 レッスンには毎回10人以上、多い時には30人ほどが受ける。1曲毎に相手を変えるので、パートナーは不要。男性の方が多く、女性が少ないことが多かった。レッスンは、コアとなる技術を次第に発展させ、バリエーションを広げる教授方法をとり、音楽的な説明が多いことも特徴。ネイとジェニファーの仲が非常に良く(2009年春現在)、レッスンの中身はネイが決めるが、説明は両者がほぼ半々ずつで行っている。


 生徒は比較的若い人が多い。中華街に近いこともあり、特に女性は東洋人の比率が3分の1以上と高い。日本人はいなかった。また、レッスン中もテーブルに必ずワインと水があり、自由に飲むことができる。日本の紙パックワインと違い、美味しいカリフォルニアワイン。


 レッスン最終日(木曜日)は、プラクティカの前にプライベートレッスンも受けた。ネイとジェニファーの二人が付いて、通常は1時間100ドル、初回のみ85ドル。「テーマは何にするか」聞かれたので、「ミロンガ(場所)で女性が心地良く踊ってもらえるようになりたい」とお願いした。主な内容は、歩き方、カデンシア、オチョ・コルタードの使い方、音楽とステップの関係性。1時間だけだったが非常に多くのヒントをもらう。

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【写真】プライベートでのネイが説明したメモ書き

※現在のスタジオ「Tango Vida」は、サンフランシスコ市内の別の場所に引っ越しました。


(2009年04月23日のmixi日記から)

地球の踊り方(イタリア編②)

「la milonguita del remo@トリノ」


 トリノはすべてが最低だった。羅針盤「トリノ・タンゴ・カレンダー」は嘘ばかり、ミロンガンダーラは果てしなく遠い。結局、「ビーチミロンガ」も夢幻の如く存在しなかった(そもそもトリノは海に面していない)。おまけに仕事先のリンゴット国際展示場で財布を盗まれ、現金とキャッシュカード、生きていく自信を失う。当面の資金は工面したが、若き日のバックパッカーに戻ったかのような貧乏を、この歳になって味わう。そして迎えたトリノ最終日(木曜日)。今日こそ失敗は許されない。電話で確認した後、念を入れてお昼に下見までした。


 トリノ市中心部から67番のバスに乗り、ポー川東岸を南下し、「サンタ・ルシア」で下車する。街中心部の鉄道駅「ポルタ・ヌオーヴァ駅」からは約25分程度。バス停を下車後、さらに同じ道路を南に進み、カーブを曲がり切ると、右手に「コルソ・モンカリエリ422トリノ」と書いた看板が見える。ここを右折し、坂道をポー川まで下れば、一連の建物群が現れる。ポー川にもっとも近い、白い屋根のかかる広場が、今夜の屋上ミロンガ会場だ。チャージは5ユーロ。アルコールを含むワンドリンクが付く。レストランも別棟に併設している。白いタイルが眩しい広場を取り囲むようにベンチやテーブルが並び、奥にはバーも構える。


 事前の下見で「21時頃から始まる」と聞いたが、到着した21時15分には人影はまばら。まだ太陽の明るさは残るが、照明も音楽もない。暇つぶしに横の土手を登ると、川下からカヌーが北上してきた。決して郊外という程ではないが長閑な風景が広がり、久し振りに川に向かって石を投げてみる。21時40分ぐらいになると、相次ぎ車が到着し、人が増え始める。22時にはすでに約30人が集まり、会場にも熱気がこもる中、ようやくミロンガが始まる。

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 照明は1点のみで、テーブル上のローソクが頼りなさげに揺れる。今までにない斬新な暗さ。暗闇ミロンガの誕生だ。音楽は伝統的な曲が主体だが、時々ヌエボが混じる。5曲ほどでコルティーナが入るが、必ずしもそこで全カップルが変わる訳ではない。誘い方は、男性が女性を誘う。女性は決して男性を誘ってはならない。


 スタート後も、人の到着が絶えず、50人、60人と増えていく。遅くなるほど若者の来訪が目立つ。人口130万人、イタリア第4の都市のはずが、予想をはるかに超える盛況ぶり。東京でもこんなに活気に溢れたミロンガはほぼない。年齢層は、30代以下が3割、40・50代が4割、60代以上が3割といった感じでバランスが良い。揃いのシューズケースを持つ人が多く、主催者でタンゴ講師のダリオ・モファ氏の(元)生徒だろう。トリノで暮らす白人がほぼ100%。現地の人曰くポー川東岸によそ者は来ないらしい。ミロンガ開始時に踊り始めた3組がとても上手くて驚くが、彼らは特別のようで、全体のレベルは東京とさして変わらない。セクシードレスを着た素晴らしい女性の高比率さえ除けば。

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 午前0時が迫る頃には、すでに100人近くが会場を埋める。まだまだひっきり無しに車が到着している。だが、最終バスは0時6分。貧乏バックパッカーゆえにタクシー代は出せない。乗り過ごせばホテルまで2時間ほど歩くか、ヒッチハイクしかない。でもまだ踊りたい。いや、明日(ミラノ)もあるじゃないか。だが、こんなセクシー姉ちゃんに囲まれて踊れることはそうそうない。しかし、帰り道を歩いていたら山賊や熊が出たらどうしよう。東京でR嬢から聞いた「イタリアのミロンゲーラは絶対にノーブラ」 という妙に説得力のある発言も確認できてない。この間0・3秒。バス停を目指して猛然と坂道を駆け登り、ミロンガを後にした。グッバイ、トリノ!ブラボー、ノーブラ!


(2008年07月04日のmixi日記から)

地球の踊り方(イタリア編①)


La Mariposa Tango@ミラノ」


 ついにイタリア社交界に華々しくデビューする日がやって来た。メトロ2線(M2)の「クレシェンツァーゴ」駅を降り、西に15分ほど歩いた住宅街にLa Mariposaはある。車が3台停まっている駐車場の奥に進むと入り口が現れる。駐車場内にひっそりと小さな看板があるのみで、音楽も聞こえず、見つけることは容易でない。


 ミロンガの開始は22時。この時期は21時頃まで暗くならず、それほど遅いスタートという訳でもない。入場料は9ユーロ。ユーロが為替的に高いとは言え、日本に比べればなお安い。


 お店に着いた22時10分の時点ですでに20人近くが集まっており、店を出た時間(深夜1時)には60人以上いた。男女比は若干男性が多い程度で、年代はおおむね20・30代が2割、40代3割、50代以上5割といった感じだろうか。50代以上はほぼ夫婦での参加だが、若手は単身または同性の友人とのケースが大半を占める。パートナーと来ている場合も、ずっと二人きりで踊ることは皆無で、お互いが色々な人と踊っている。

 お店は奥に細長いつくりで、スペースはかなり広く、雰囲気も素晴らしい。日本によくあるプラスチック製のコップに名前を書いて、ペットボトルのコーラやダイエットコーラ、コーラゼロを選べる。お菓子もスナック系、ドルチェ系など10種類近くある。2階にはDJブースとVIP席らしき椅子やテーブルが数セット並ぶ。
だが、そこに集うのはVIPというより、カップルが時々登って、鬱憤(?)を晴らす場所っぽい。あまり見上げない方がいいみたい。首が痛くなるまで見上げてしまうから。


 誘い方はカベセオではなく、男性が女性を誘いに行く日本と同じ方式。ただ、女性が男性を誘うことはなく、女性はただ待つのみ。5曲ワンセットで、必ずコルティーナが入り、ほぼ必ずパートナーを変更していた。DJの趣味か、ミロンガはあまりかからない。nuevoはあまりかからず、オーソドックスな選曲だった。


 踊りは、男女ともにレベルが高い。日本によくいる”ひたすら技の百貨店”(タンゴ版舞の海)がほとんどおらず、いても女性から酷く冷たい仕打ちにあっている。隊列を崩す人も、ぶつかる人もほとんどいない。素晴らしい。とくに50・60代は質量ともに充実、ちょい悪じいさんが大勢いる。その年代で深夜1時でも遊んでいるところが良い。あといいのは、やたらめったら踊らず、会話を楽しんでいること。それはいいことだけど、イタリア語しか離せない人が多く、軽い疎外感。曲間がとても長く感じた、筆者35歳の夏だった。


(2008年06月29日のmixi日記から)

2010/01/13

ニュージーランドのミロンガ事情

 ニュージーランドの首都・ウェリントン。オークランドに次ぐ第2の規模を誇る都市で、タンゴも活発。ウェリントン在住の百合さんに、現地のミロンガ事情を聞いた。


 ニュージーランドでタンゴが本格化したのは、1990年代後半から。現在のウェリントンでは、水、金、日曜は毎週、土曜も不定期を含めて月3回程度ミロンガが開かれている。「ここ数年でミロンガの開催は増えている」。ウェリントンだけでタンゴ講師は10人ほどおり、アルゼンチン人1人を除けば、残りはニュージーランド人が教えている。


 ミロンガ会場の多くは、教会が運営するコミュニティセンター。室内は暗く、ロウソクのほのかな灯りの中で踊る。百合さんお薦めのミロンガは、月1回土曜日に開く『St Andrews Milonga』。「ホールが広く、豪華な雰囲気」が気に入っている。
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 ミロンガの開催時間は、20時から24時というのが一般的。「仕事が終わった後、いったん自宅に戻り、夕食を済ませて、ミロンガに繰り出す」人が多い。特別なミロンガを除けば、Tシャツにジーンズといった格好が普通で、「スーツ姿は逆に珍しい」という。タンゴ愛好者は、医者や公務員、弁護士、教師、IT技術者など専門職が多く、「決して貧しい人たちではないが、ミロンガ料金には非常にシビア」な側面を持つ。


 入場料は8~10ニュージーランドドル(550~680円)が平均的で、お酒などは各自で持ち込む。主催者側がお酒を用意する場合でも、料金は15ニュージーランドドル(1000円)程度で済む。


 カップルで来る人もいるが、「一人でミロンガに来る人も多い」ことから、旅行者も一人で気軽にミロンガを訪れることができる。入場者数は少ないと20人、多い時で100人近くになるが、平均すると30人程度。「40、50代が多く、日本よりも世代的に若い人が多い」。参加者の男女比は、男性が4割に対して、女性が6割と高い。そのため、男役をこなす女性が多く存在し、百合さんもその一人。百合さんが踊っていて楽しい上位2割のうち、「半分は(男役の)女性」というから、女性のレベルの高さがうかがえる。
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 百合さんは、これまでニュージーランドのほか、オーストラリア、アルゼンチン、日本のミロンガを経験してきた。日本のミロンガで驚いたのは、男性の数の多さ。「ニュージーランドと違ってゆっくり休めないし、男役もなかなかさせてもらえない」のが悩み。日本滞在中は、実家のある首都圏だけでなく、函館や群馬など地方ミロンガも精力的に楽しんでいる。


※参考リンク
ニュージーランドのアルゼンチンタンゴ全般
ニュージーランドタンゴフェスティバル